
従来、息切れや咳・痰などが見られる慢性の呼吸器病の病気に罹った場合、そうした症状が起こるのは仕方のないものであり、我慢するしかないと考えられてきました。
しかし、例えば、自力で呼吸が困難で酸素吸入器が手放せなくなった時、歩行が困難になり、やはて動くこともおっくうになって寝たきりになってしまうことが多いなど、呼吸器系の疾患を元にQOL(生活の質)が急激に低下することは少なくありません。
現在、新しい薬や治療機器が開発されたこともあって、以前に比べると呼吸器系の一環であっても症状がかなり緩和されるようになったこともあり、これまでならば入院しなければならなかったような人でも、自宅で治療を受けながら生活できるようになってきています。
そうしたことから、これまでリハビリテーションには向いていないと考えられていた呼吸器系の疾患に対してもリハビリテーションが行えるようになり、また、その有用性が見直されています。
呼吸器系のリハビリテーションも、例えば、変形性膝関節症のリハビリテーションと同じく、失われた機能を取り戻したり、あるいは代替する筋肉などを鍛えたりすることで、普通の日常生活が送れるようにします。
そのために、残された呼吸器の能力をできるだけ引き出すためのリハビリテーションを行います。
実際に専門のリハビリテーションを行うことで、残された肺の機能や呼吸筋を最大限に使えるようになり、呼吸困難が改善する方も増えています。
ちなみにアメリカでは、1990年代前半に主に慢性閉塞性肺疾患(COPD)を中心とする慢性呼吸器疾患の治療のための呼吸リハビリテーションのガイドラインが発表され、いち早く呼吸器系疾患のリハビリテーションの大切さが訴えられました。
慢性の呼吸障害がある場合、どうしても息切れが起きやすいことから、身体を動かすことが厭になりますが、使わなくなった筋力はどんどん低下します。
さらに、動かないと食欲も出ませんから、食べる量も自ずと減っていって、体重減少や筋萎縮が進み、それによってさらに呼吸困難が進んでしまう。いわゆる“負の連鎖”が起きてしまいます。それを止めるためにもリハビリテーションに取り組むことが重用です。