
変形性膝関節症と診断されたならば、一般的な治療の中心は、運動療法になります。
いわゆる「
保存療法」と呼ばれるもので、基本的に筋肉の強化と膝の柔軟性の維持を中心とする運動を行います。
また、
体重コントロールも膝への負担を減らすために重要なため、運動をして体重を落とすことも大切になります。
症状によっては、鎮痛消炎剤の飲み薬を処方(
経口投与)し、同時に湿布や軟膏などの処方を行う場合もあります。
その他、関節軟骨保護のための
ヒアルロン酸の関節内投与や滑膜の炎症を抑えることを目的とする
ステロイドの関節内投与もが行われることもあります。
ただし、ステロイドの関節内投与は、化膿を引き起こしたり、関節軟骨の破壊を助長したりすることがあるので、頻繁に行われることはあまりありません。
ただし、投薬は痛みを和らげる効果が期待できますが、完治させるものではないため、あくまでも補助的な治療となります。
ちなみに、水を抜くとクセになるとよく言われますが、これは迷信です。
膝に負担が掛かり、炎症が続いているから水が貯まるのです。
この膝への負担を取り除き、炎症を起こらないようにすることが大切です。
その他、筋肉の力が弱い人には膝支柱付きの装具を付けることもありますし、内反変形(O脚)の強い人には外側にウェッジ(wedge)を付けた足底板を使う場合もあります。
保存療法では効果が見られない場合に、手術療法が必要となります。
手術は、関節水症が強い患者の場合は、関節鏡を用いて滑膜切除術(水を造る滑膜が過剰に増生している部分を掃除する)が行われます。
また、変形が強いが、年齢が若くて活動性の高い方には、自分の膝を温存できる高位脛骨骨切り術が実施されます。
ただし、内側型では大腿・脛骨関節の外側部の関節軟骨と半月板が正常であることが前提になります。
この場合は、自分の膝を温存できているので、スポーツも可能です。
内側や外側の変形が重度の場合には、
人工膝関節置換術が行われます。
人工膝関節置換には内側だけ置換する
単顆型置換術もあります。
これは変形が比較的少ない方に適応されます(工関節置換術は比較的高齢の方に行います。70歳代が最も適齢です。若い方は活動性が高いため、人工関節置換術を行うと緩みが出やすくなりますので、高齢者に行う手術です)。
(文:繁原稔弘)