膝関節は体重の負担が大きい関節のため痛みやすいことから、問題を抱えている人は少なくありません。
膝関節の痛みを発する病気は多いのですが、代表的なものの1つに「
変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)」があります。これは、膝の軟骨がすり減り、骨が変形し、痛みを感じるようになる膝関節の機能が低下する病気です。
膝関節の中には、クッションの役目を果たす膝軟骨や半月板があります。これらは、加齢とともに少しずつすり減っていき、膝の中の骨が擦り合うようになって、痛みが発生します。
現在、国内の患者数は1,200万人、要治療者は700万人とも言われているほどの一般的な疾患で、中でも40歳以上の男女の6割が罹患していると言われています。さらに、男性より女性が多く、どの年代でも女性が男性に比べて1.5~2倍にのぼり、さらに高齢者では男性の約4倍にも及びます。
病気になる原因は、筋力低下や加齢などさまざまありますが、主なものとして
遺伝、肥満、運動不足があげられます。
その変形性膝関節症ですが、進行度によって重症度は大きく5段階(ステージⅠ~Ⅴ)に分けられます。
具体的には次のような症状でステージ分けがされています。
初期に当たるステージⅠ&Ⅱでは、X線写真では明確な骨の異常は見られませんが、一時的な
こわばりや
痛み、そして
動かしにくさを感じます。
中期のステージⅢでは、検査で軟骨の摩耗が見られ、
正座や立ち上がる時、階段の上り下りなどの際に痛みを感じます。
そして、進行期に当たるステージⅣ&Ⅴでは、軟骨はほとんど無くなってしまい、日常生活に支障が出るようになります。
治療方法はステージごとによって異なりますが、基本的にはどの段階でも
運動療法が中心となります。